溺愛パンデミック

奇跡が消えないように 僕等が生きた証を ここに記そう

不思議の国のジャニーズWEST~前編~

★はじめに…
このおはなしは、ジャニーズWEST不思議の国のアリスの世界に入ったらどの配役を得てどんな出来事が起こるかを妄想しただけの「アリス・パロディ」作品になっております。
苦手な方はそっとブラウザを閉じる事をお勧めいたします。







むかしむかしあるところに、大毅という名のたいへんおてんば(っていうかやんちゃ?)な男の子がいました。大毅はある日、あまりに退屈で川のほとりでボーっとしていると、そこへいきなり奇抜な髪色をしたうさ耳の男の子が近くを走っていくではありませんか。
「やばい!めっちゃ遅刻やん!!」
そのうさ耳の男の子はチョッキから取り出した懐中時計を見て慌てているので、興味津々になった大毅はその後を追いかけ野原を横切って、うさ耳男が大きな穴に飛び込むのをぎりぎりで見つけたので
「怖いけどめっちゃ面白そう!」
と、ノリで飛び込みました。
その穴は長く深かったけれど、どうにか下まで降りることが出来ました。上を見ると真っ暗だけど、目の前の通路をまたうさ耳男が走っていくのが見えました。追いかけて、かなり追いついていたはずなのに、彼が角を曲がってすぐに大毅も曲がると、そこに彼の姿はありません。長い扉だらけの廊下があるだけでした。
扉はどれも鍵がかかっていました。どうやって帰ろうか思案していると、急にテーブルがあることに気づきました。
「鍵置いてるやん!」
その鍵は、40センチほどの小さな扉の物でした。けれど意外に身長の大きい大毅には通ることはできません。
「なんやねん、結局無理やん。…あれ?」
先程のテーブルまで戻ると、さっきは置いてなかった小さな小瓶があるではありませんか。瓶には「飲んで」と書いてあります。
「飲んで、はええけどこんなんさっき無かったやんなあ…」
賢い大毅は意外に慎重なため、これが毒ではないかと疑い隅々まで読んでみましたが、毒と書いていないのでノリで味見をすると美味しかったので、全部飲むことにしました。

*******

「…まじか。」
大毅は25センチほどに縮んでしまいました。でもこれで扉の向こうに行くことが出来ます。ところがどっこい、今度は小さくなりすぎて扉のノブに手が届きません。困った大毅が周りを見渡すと、今度は「食べて」と書いたケーキがおいてありました。
「もう、丁度いいサイズ無いんかい!」
大毅がそのケーキを食べると、みるみる大きくなりました。
「やばい、今小瀧抜いた俺。絶対小瀧抜いた。」
けれど、内心どこまで大きくなるか不安だった大毅は、コンサートが終わった後みたいな量の汗をかいていました。すると、どこからかぴちゃぴちゃという足音が聞こえます。そちらの方を向くと、あのうさ耳男が立派な服に着替えて、走っていました。
「ああ、アカン。ジャニーさんが…」
正直もう飽き始めていた大毅は、誰でも良いから助けてもらおうと、そのうさ耳男が近くを通った時に
「あの、すいません…」
うさ耳男はうっひゃあ!と飛び上がって、ペンライトを落として逃げて行ってしまいました。
大毅が何気なしにバナナ型のペンライトを拾うと、大毅はみるみる小さくなりました。8センチ程になったところで異変に気づきそのペンライトを投げ捨てると、大毅はさっき自分の所為でできた汗の海に落ちました。
暫く海を泳いでいると、岸にたどりつきました。それから歩いてさまよっているとあのうさ耳男が困った様子で…面倒だから神ちゃんうさぎにするね!神ちゃんうさぎが困った様子で探し物をしています。
「ペンライトどこにやったん?」
大毅には投げ捨てたので分かりません。ごめん、無い!とだけ叫ぶと、大毅は森の中へそのまま逃げました。

*******

「元に戻りたいねんけど…」
今の所、何かを食べたり飲んだりすると伸縮しているので、大毅は食べ物を探して歩いていました。すると、目の前に大きなキノコが現れました。今の大毅と同じぐらいの高さです。
「あ、これ食べれるんちゃう!」
つま先立ちになって、キノコのふちから上をのぞくと、その目がいもむしの目と、すぐにばっちりあってしまいました。そいつはキノコのてっぺんにうで組みをして座り、静かにながーい水パイプをすっていて、大毅も、それ以外のなにごとも、全然どうでもいい、という様子でした。
「誰?」
いもむしがいいました。
「大毅やで」
「ほう…俺はスーパーアイドルはまちゃん。」
「…へえ」
何となく面倒そうなので、大毅はあっちに行くことにしました。
「ちょ!!待って!!!ごめんって!!」
はまちゃんは後ろから呼びかけました。
「大事な話があるから!」
これは期待できそうです。大毅は戻ります。
「で?シゲはどうなりたいんや。」
「なんで苗字知ってんねん」
「細かいことは気にするな。」
「ま、別に身長はどうなってもいいねんけどぉ、何回も大きくなったり小さくなるのはしんどい。」
「それは難しい悩みやなあ、今より小さくなりたいん?」
「どっちかというと大きくなりたい。小瀧か流星になりたい。」
「無理やな。」
大毅はこんなに身長の事を言われたのは初めてでした。面倒になって暫く変顔をしていると、はまちゃんは言いました。
「反対側。」
「何の?」
「キノコの。」
「主語がないねん、はまちゃん。」
大毅が突っ込むと、はまちゃんは消えてしまいました。
「ええ、うそやん…」
反対がどちらか分かりませんでしたが、大毅はとりあえず両手をキノコの周りに伸ばして、左右の手でそれぞれキノコをむしりました。
「…えい。」
とりあえず右手のキノコを食べてみると、、すごい勢いで縮むではありませんか!
「あかん、まってこれは小さい」
慌てて左手のキノコを食べると、大きくなります。
そうして大毅は25センチくらいになるまでキノコを食べ続けました。

*******

大毅はしばらく歩いていると、一軒の家にたどり着きました。
中を覗くと、公爵夫人がたったいま女王様からのコンサートの案内状をもらった所でした。
「ごめんください、」
大毅が中に入ると、そこには公爵夫人と公爵夫人の赤ちゃんと猫がいました。
猫も赤ちゃんもイケメンで、何故か二人とも大毅より長身でした。
「ちょうどいいところに」
「え?」
「YOU、この子預かって!ぼく、女王様のコンサート行かなきゃだから!」
「いや意味分からん」
公爵夫人は、大毅に赤ちゃんをよこしました。赤ちゃんは大毅に寄りかかりながら、
「いい加減好きって気づけよ。」
と言ったので大毅は赤ちゃんを蹴飛ばしました。
「え、ほんまに行くん?」
「YOUもコンサート来ちゃいなよ!」
と公爵夫人はそういって本当に家を飛び出しました。
残された大毅は仕方なく望という名のBIG BABYを連れて家を出ました。
しばらく森の中を歩いていると、何メートルか先の木の上にさっきのイケメンの猫が居るのを見つけました。こっちを見てにやりと笑うので、大毅は無視しました。
「ちょ!無視すんなや!」
「なに?なんか用?」
「そこは話しかけるくだりやろ!」
イケメンの猫は自分を「チェシャ猫」と名乗ったのに、着ている衣装のタグには思いっきり「流星」と書かれていたので大毅は「チェシャ流星」と呼ぶことにしました。
「なあチェシャ流星、俺どっちに行ったらいいの?」
「それはシゲがどっちに行きたいかによるなあ。」
「どこでも良いんやけど…」
「じゃあどこ行ってもええやん」
「でもどこかには着きたい」
「どこかには着くやろ、歩けば。」
珍しくまともに返されたので、大毅は納得して違う質問をしました。
「ここらへん、他にはどんな人がおんの?」
「あー、あっちの方やったら、」
チェシャ流星は、右手を振り回しました。
「帽子屋が住んでる。それとあっちの方には、」
今度は左手を振り回します。
「七月うさぎが住んでる。好きな方を尋ねたらええ、どっちも面白いから」
「面白いは求めてないねんけど」
「それはどうしようもない、やって笑いを求められんねんもん、俺ら。」
チェシャ流星は、言いました。
「ところでコンサートは?ジャニーさんに誘われてたやん。」
「行きたいけどチケットないねんもん」
「そこで会おな」
流星はそう言って消えました。大毅は大して驚きませんでした。順応性が高いからです。そうして流星が居たところを見つめていると、彼は再び現れました。
「ところで望は?聞くの忘れるところやった」
「大人の事情で今、裏で着替えてんねん」
「やと思った。」
流星は、再び消えてしまいました。大毅は大きく息を吐くと、流 星の指した方向へ向かって歩き出しました。暫く歩くと、七月うさぎの家が見えてきました。間違いないと思ったのは、煙突が耳の恰好をしていて屋根が毛皮 で、全部ピンクだったからです。あまりに大きなお家だったので、大毅は左手のキノコをかじって60センチぐらいになってから近づきました。
「やっぱ帽子屋に会いに行った方が良かったかな。まだ照史くんも淳太くんも出てきてないやん。」



(気が向けば)続く…


参考:Alice's Adventures in Wonderland: Japanese