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溺愛パンデミック

奇跡が消えないように 僕等が生きた証を ここに記そう

南の魔女が死んだ

タイトルは「西の魔女が死んだ」のパクr…いえ、オマージュです。

落ち着いたら書こうと思っていました。ただの私の日常的なお話だけど、今は残しておける場所が無いからここで。読んでいただけたら幸いです。

 

 

父方の祖母が死んだ。

ふと夜中に目が覚めて、携帯を確認するとまだ朝の4時だった。深夜2時に父から着信があった事に気づいていつ折り返したらいいのかLINEで聞いたらすぐに電話が鳴った。私のおばあちゃんが死んだ。

実は10年前に母方の祖母も死去している。その祖母は幼い頃から私とよく遊んでくれて、大好きだった。小学校高学年になって部活を始める前は毎週のように会っていたのに、学校で忙しくなって会わない間に彼女は老け、認知症になっていた。「どちら様?」と問われる度にちょっと悲しかったけど、数分経てば何事も無かったかのように孫の私に昔話をしてくれた彼女のことは未だ鮮明に記憶に残っています。地元で有名な美人だった彼女の遺伝子が受け継がれてるはずなのにこのクオリティで生まれたことは残念で仕方ない。隔世遺伝とかマジ都市伝説だと思う。

彼女が死んだとき、私は高校生だった。終業のHR前に先生に伝えられて急いで病院に行ったけどもちろん間に合わなかった。私はその時に初めて、身近な人が死んだという体験をした。正直言って、よくわからなかった。ただ、入院していた病院のベッドで寝ているように動かなくなった祖母を見た時は、涙が止まらなかったけど。

それから10年、2度目の”それ”が来てしまった。私には祖父は生まれた時からいないから、二親等はこれでいなくなるんだなあと思うとなんだか寂しい気持ちになりながら帰省した。飛行機で2時間半、九州のド田舎です。

父方の祖母は、母方の祖母と違って超仕事人間だった。どのくらいかというと、90歳まで仕事をしていたぐらい。その業界では有名だったし、略歴の中には日本初の女性なんとかみたいなものもあって、小さなころはよく事務所や自宅に遊びに行っていたけど、何となくちょっと遠い人だった。

それが5年前に仕事を辞めて病院に入ってからは急にただの物知りなおばあちゃんになった。単純に、仕事があったからお話する時間が無かったんだって、地元を出てから気づいたことが今になって悔しい。大正生まれだから戦争の話とか、仕事の話とかをいつも聞いた。東京からのお土産は人形焼が大好きで、持って行くといつも喜んでくれた。だから今回も、棺に入れるために買ってきたのに結局は父と母が食べておった。さすが我が両親である(褒めてる)。

お通夜もお葬式も納骨も、まあ10年前にやったはずなのに覚えてないのね。あの頃は制服だったけど今は喪服を着てるぐらいしかわからないのよ。それでも祖母に死に化粧が施されたり納棺されたり、着々と進む準備のなかで、私は初めて父の涙を見た。

祖母は、何時に死んだのかわからないと医者に言われたそうで。深夜の見回りの際にはすでに心臓が止まっていたとのこと。だから父も母も、父の姉も、誰も間に合わなかったんです。…親が泣いてるのって、こう響くものがありますね。いつかこの人たちにもこんな時間が来るわけだけど、その時私は傍に居れたらいいななんてぼんやり思ったり。

伯母さんが「いくつになっても初体験があるわね。」と父を指して言った。喪主として告別式で読む挨拶の文章に、ずっと悩んで緊張していた。正直うっとうしいくらいだった。祖母の棺の前をうろうろして、あんなに落ち着きない父を初めて見た。娘の私はどうしようもできなくて、それだけで泣きそうだったのに、父の携帯にポケモンGOがダウンロードされてて違う意味で泣きそうだった。あんた硬派じゃなかったんか。娘、動揺。

お坊さんが女性で祖母の知り合いだったからか、導師退場つってんのに父に昔話を10分ぐらい話してなかなか出て行かずに葬儀屋さんを困らせた以外は、恙無くすべて終了しました。火葬も、案外あっさりだよね、泣きはしたけどさ。焼く前に棺の中に手を入れて祖母に触ってみたけど、当たり前に冷たかった。こんなに小さかったっけ?とか思ったけど焼いたらもっと小さくなった。骨を拾うのは緊張しますよね。「こんなに小っちゃくなっちゃって~。」なんてみんな言ってた。95年も生きたんだから大往生です。ええ。

いつかはみんな死ぬ。それは必ずやってくる儀式のようなもので、覚悟はしていてもやっぱり寂しいんだよね。でも、絶対に私が生きてる限り忘れない。ここに書いた事も書いてない事も思い出して、ずっとそうやって色んな記憶を抱えて生きていきたいと思います。

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帰りの飛行機が泣けるぐらい綺麗だった。

 

ちょっと蛇足ですが、母方の祖父は離婚して知らないんですが、父方の祖父って私が生まれる前に死んでるんですね。それはそれは有名なクズだったらしい。

女と金の噂が絶えない今でいうヒモで、祖母はよく飲み屋の女の家に突撃してたらしい。その度に「まだ布団が冷たかったから大丈夫」とかわけのわからん事を言っていたわけだが、その祖父が死んだときはみんな笑ってたんだって。伯母さんが「人柄だろうね、たまに泣いてる人がいて『あれ誰?』って聞くと、みんな『知らない』って答えるのよ。そんなお葬式もらしくて良いなと思うわ。」と笑っていて、そんな話があったもんだから父に、「おばあちゃん、天国でおじいちゃんと再会できてるんじゃない?」というと「多分おじいちゃんは向こうでも女作って今頃喧嘩してるよwww」と無慈悲に言われた。もしかして、私がバンドマンとか好きなのはダメンズが好きという隔世遺伝かもしれない。

いつか私が向こうに行ったときに、会えるのを楽しみにしておきます。

 

さよなら、また逢う日まで。