溺愛パンデミック

奇跡が消えないように 僕等が生きた証を ここに記そう

グラスホッパーに愛を込めて

モヤモヤしたときは書くに限る!!な!!

安定の支離滅裂長文だが許してくれや~!!

 

今日、行きつけのいつものBARが閉店しました。BARの推しがステージを降りてしまった。

もうこのブログを作った時には通っていたので大体4年?5年?通っていました。初めて行った時のことは今でも忘れません。

その日自宅のマンションの階段から落ちて、足を引きずりながら職場に向かい「いやテンションは自分で上げないと」と当時飲んでみたかった「グラスホッパー」というチョコミント味のお酒を飲めるBARを家の近所で探したのが始まり。

今思えば、ふと思い立ってBARを検索して1人でふらっと行くような所でもなく。座った時の緊張感は半端ではなかった。店の人はどうやら皆さん顔馴染みで会話にも入れずずっと音のないテレビを見つめていたら「今日はなんでうちに来たの?」とマスターに声をかけてもらい「グラスホッパーが飲んでみたくて調べたら…」と答えたら「面白いね~!」とその場にいた人がみんな応えてくれた。まさかその後自分がその輪の中に入るなんて、あの時は思いもしなかったでしょう、私。

足繁く、とまでは言えなかったかもしれない。けれどそこは確実に私の居場所になった。通い始めて職は2度も変えたし、手術もあった。せっかく東京に遊びに来た母親と喧嘩して飛び出して飲みに来たこともあった。好きな人が出来た時もホストに熱を上げた時も、仕事で悔しいことがあった時も道端で腹が立つことがあった時も、私は同じ道を通り同じ階段を上がり扉を開けて「どうも~」と声をかけたら「おう、いらっしゃい」とマスターが返してくれた。そしてそれらの出来事を話すとお酒を作りながら「そうかそうか」と聞いてくれた。

たくさんのお酒を教えてくれました。珍しいウイスキーや変わったカクテルも。私が「なんか甘いの」と適当なオーダーをしても的確につくって下さり、味見をしては「うえ、甘っ」とふざけて出してきた。それを私が「そこまでじゃないですよ」と言うとみんな変な顔で笑った。

BARの外でもみんなでご飯を食べたり謎解き大会したり、何かしらいつものメンバーで遊びに行った。常連で仲良くなったメンバーで遊ぶこともたくさんあった。もちろんそこでしか会えないけど友達みたいにふざけあって話して「またね~!」って人もいた。何故かマスターの奥さんと2人でパチンコにも行った。たくさんの人に出会った。たくさんの事を経験できた。かけがえのない場所だった。

しめっぽいのが嫌いで、明るくて前向きで、昔相当やんちゃしていたようで言葉遣いがたまに荒いマスター。今日、本当はもっと居たいような気がしたけど、でもなんか悲しくなるので早々に帰ることにした。私の悪い癖、そういう時に働く。

マスターと帰る時に握手した。「牛乳ちゃんにはほんとにお世話になって……」って言うマスターは少し泣いてた。9年のお店の時間の中で私がいたのは半分だったけれど、そこまで言ってもらえると思わなくてちょっとグッときた。

別にマスターに会えなくなる訳では無い。今後も常連一同、マスターやマスターの奥さん、マスターの息子さん(みんな仲良しなんやで)とも遊びに行くであろうし、ボウリング大会もやるし、カラオケだってパチンコだって行くだろう。別にみんなとの繋がりが途切れたわけじゃない。

でももうきっと二度とあの道を夜に通る事はない。飲みに行こうかな、とふと思い立って夜中に歩くことも、常連の誰かから「いるから来なよ」と連絡が来たり、逆に私から連絡することも無い。喜怒哀楽の感情を抱えながらあの階段を上ることはもうないし、扉を開けてマスターが「おう、いらっしゃい」と言うこともない。そして閉店時間をとっくに過ぎた朝焼けの中を目を細めてだらだら帰ることも、もう無い。

あんなに焦がれ続けたグラスホッパーもこの4年で死ぬほど飲んできたのに、今日は生クリームがないだろうと思って頼まなかった。聞くだけ聞いておけばよかった。こういうとき、最後にいつも後悔する。あの味は多分二度と飲めないのに。

今日もなんて事ない日常を過ごし、赤の他人の私の居場所が今日でひとつ無くなることを知らないすれ違う人たちを横目にそんな事を考えていたら家に着いた瞬間に泣いた。マスターも常連さんも、そういうの好きじゃなさそうだ。きっとあのカウンターで泣いたら「ちょっとそういうのやめてよ~!俺嫌いなんだよ!」って。私も普通に最後にしたかったからこれでよかった。よかったと思うことにする。

 

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グラスホッパー、きっとずっと大好きなお酒。

夢を叶えてくれてありがとうございました。あの時勇気をだして扉を開けてよかった。

長い間ありがとうございました。お疲れ様でした。